「波を綴る」

ハワイの島々は私の中で強い輪郭を持って存在している場所であり、
たくさんの人達と出会い、お互いの時を重ねてきた場所でもあります。

偶然とも必然ともとれるような出会いから大切な存在となっていった彼らと日々を過ごしていくうちに、 いつからかハワイの島々が持つ歴史や風土がリアリティーと意味を持って自分に迫ってくるようになりました。
変わりゆく風景の中にも大切な人達が生きてきた時間や心の動きが映っている、そんな風に思います。

人々が生きてきた時間を包含しながら、今なお動き続けるハワイの島々。
自然の脅威を肌に感じながらも、全てを受容するように島で生き続ける人々。
今になり思い返してみると、私は十数年かけてそのような人間と島の在り方を垣間見させてもらったのかもしれません。

真鍋 奈央NAO MANABE

1987年9月10日 徳島県池田町生まれ、31歳。

中学を卒業後単身渡米。ニューヨーク州、ハワイ州の高校で2年間過ごし卒業後、2006年に帰国。2007年専門学校ビジュアルアーツ大阪写真学科入学、翌年度卒業。その後同校の研究生制度を利用し一年間作品制作に励む。2011年グループ展(プレースM/東京新宿)で「Malamalama」を発表。2012年第六回写真「1_WALL」でファイナリスト。同展(ガーディアン・ガーデン/東京銀座)で「眼を開けて夢を見る」を発表。2013年フリーランスとして活動を始める。2017年専門学校ビジュアルアーツ大阪の常勤講師。2018年第三回入江泰吉記念写真賞受賞。